日本酒ができるまで

日本酒の原料

 米、米麹(こめこうじ)、水、(その他醸造アルコール、ブドウ糖など政令で定められている添加物)

日本酒の種類

日本酒は、使用原料と精米歩合(精米後どの程度粒が残っているかを表した数値)により商品名が異なる。

日本酒造りの主な工程

精米

 玄米を磨き表面を削り取る工程。削り取った後に残っている部分の割合(=精米歩合)でお酒の名称が変わる。

洗米&浸漬

 洗米は名の通り米を洗う工程で、米の表面についた糠(ぬか)や米くずなど取り除く。日本酒に使われる米は普段食べている米より削っている。それに伴い吸水率・割れる可能性が上昇している。そのため細心の注意を払う必要がある。
 浸漬は米に吸水させる工程。浸漬にかかる時間は様々な条件により変わってくる。また、数秒の差で味などに大きく影響が出るので目的の吸水率に達するために秒単位で管理している。

蒸し

 米を蒸す工程。米が発酵しやすい「外硬内軟」の状態に、またデンプン質を適度に糖化しやすい状態にする。
 蒸しあがった米は麹用、酒母用、仕込み用に分けられ、それぞれの用途に合った温度に冷ます。

製麹(せいぎく)

 麹用の蒸米に黄麹菌(きこうじきん)をふりかけて繁殖させ麹をつくる工程。麹菌の繁殖の最適環境は温度30℃湿度60%なので製麹室という専門の部屋で作業が行われる。菌糸が均一に生育するため適度にかき混ぜ、約2日かけて麹をつくる。

酒母(しゅぼ)造り

 アルコール発酵をスムーズに進めるための大量の酵母(=酒母)を増殖させる工程。タンクに酒母用の蒸米、麹、仕込み水に酵母を加えてつくる。この時ほかの菌がタンク内に侵入しないように乳酸を加える。乳酸を加えるタイミングで仕込みの種類やかかる期間が変わってくる。

仕込み

 酒母に蒸米、麹、仕込み水を加えて発酵させ醪(もろみ)を作る工程。「初添え」、「仲添え」、「留添え」の3回に分けて行う三段仕込みが主流。一気に加えると酵母の増殖が間に合わず他の菌が増殖する可能性があるため分けて加えて発酵させる。
 1日目に酒母の2倍の量の蒸米、麹、仕込み水を加えるのが「初添え」。2日目は何も加えず酵母の増殖を促す。3日目は「初添え」の2倍の量の蒸米、麹、仕込み水を加える「仲添え」を行う。4日目に「仲添え」の2倍の量の蒸米、麹、仕込み水を加える「留添え」を行う。そこから2週間から1か月ほどかけて醪を発酵させていく。
 醪の発酵時はを発生するため温度管理に注意を払う必要がある。

搾り

 醪を搾り酒粕と液体に分ける工程。酒税法により日本酒は1回こさなければならないと定められているためこの作業を抜くと日本酒と認められない。搾り方もろ圧圧搾機を用いた方法や袋吊りなど様々な種類がある。